31歳の社会人です。
海外で生活した経験は無く、職場でも英語は使っていませんが、字幕なしで映画やアニメを楽しんだり、流暢に英会話ができるようになりたいと思い、5年ほど前からシャドーイングを基本とした英語のトレーニングを続けています。
ちなみにシャドーイングには「文で覚える単熟語」という英検1級・準1級用の音源付きテキストを使用しています。
リスニングの力は多少向上した気はしますが、未だ英語を流暢に話せるくらいのスピーキングレベルには至っていません。
そこで、トレーニング方法を変えてみようと思い、色々とネットで調べ、「自分の好きな洋画やアニメのセリフを暗唱できるようにする」ことでどれだけ英会話が上達するものなのか気になりました。
暗唱する作品にもよると思いますが、私のように「ある程度英語の勉強はしてるが一向にすらすら英語が話せない、洋画のセリフが大して聞き取れない人間」にとって映画やアニメのセリフ暗唱は妥当なトレーニング方法といえるのでしょうか?
また、妥当ではない場合、どのようなトレーニングが適切でしょうか?
ちなみに私は英検準1級、TOEICスコア935を取得しています。
回答
暗唱でスピーキング能力が上がるか?というご質問ですが、暗唱の効果と意図を含めて回答していきます。
率直に言って、「暗唱だけ」ではスピーキング能力の向上はしません。
暗唱は表現や単語のみを記憶させる上では有効性があります。
暗唱だけで覚えた表現や単語を違う場面で応用して使うことができるようになるわけではありません。
さらに言えば、好きなアニメや映画のセリフは丸覚えすることができます。
しかし、それができたところで応用力につながるとは言えません。
単語や表現の意味を知っていれば、読めば意味がわかります。
もちろん聞き取ることもできます。
それをいつでも使えるかどうかは全く別の話です。
暗唱やシャドーイングはリスニングの向上にはつながっても、話す方の能力向上そのものには大きく貢献はできないのです。
英語がうまく口に出せないとすれば、書く能力(ライティング)が弱いということがわかります。
英語には「書ける力>話せる力」という法則があります。
書けようにして話せるように練習していくというのがスピーキングの鉄則です。
文章に書けないものは口からとっさに出てくることはありませんから、これが必要になります。
これから必要な練習というのは書く練習です。
知っている単語や表現をいつでも書けるようにしていくことがスタート地点になります。
英語をいろんな場面で使うことを想定して書く練習をしつつ、会話でも使うことを想定して読む練習と組み合わせて行います。
どういう場面で使えるかは例文でもいいし、英語圏の人が書いているサイトやブログなども参考になるでしょう。
使うための練習が必要になると理解してください。
使うことを想定した書いてみる練習を会話するつもりでガンガンやってみてください。
英作文とか瞬間英作文とかいろいろ言い方はされてますが、そういった類のものをやるということです。
「こういうことを言われたら、こう返せそうだ」
「これはこういうときに言えそうだから、こんなふうに使ってみよう」
など、実際に使う場面を想定した練習を数多くこなすことでしか、会話の能力は上がらないのです。
地道で時間がかかります。
しかしながら、その練習はあとで血肉となって大きな飛躍をもたらしてくれます。
これまでは「受け」の学習だったものを「攻め」の学習に切り替えるということでしょうか。
TOEICや英検の実力からディフェンス能力は相当高いが、オフェンスが苦手というようなサッカー選手みたいな状態だと思います。
これまでの話をまとめてざっくり言ってしまえば、オフェンスの練習しましょうよということです。
基礎的な知識とかは問題ないと思いますので、ぜひやってみてください。