英語学習相談の回答集

TOEIC750点前後、今後どのような勉強をしていけば伸びるでしょうか?

目的達成のためにどのような勉強をすべきかについての相談です。
私の英語学習の目的は、会社の海外事務所の駐在員になって、海外で働くことです。
このため、ビジネスで使える英語を習得することを求めています(逆に言うと、ビジネスで不要な英語は後回しでいい)。
私の会社で必要な英語の特徴として、幅広い分野の人の話を聞ける必要があります。リスニング力は他の企業の駐在員などと比べても、高い能力が必要だと思われます。
一方で、スピーキングは定型のものが話せれば、自分のことを臨機応変に説明できる必要はありません。リーディングもリスニングに比べると高い能力は必要はありません。
私の会社の海外駐在の条件でTOEIC900点以上というものがあります。半年前のTOEICスコアが700〜750(リスニング、リーディングのどちらも370程度)なので、TOEICを900(950や990などは必要ない)に上げつつ、会社で求められるスキルをつけたいと思っております。
2018年の終わりごろに3か月程度、英語圏の海外研修(これは私が目的としている長期駐在ではなく、あくまで研修)に行ける機会を得ました。このチャンスを生かして、上記のスキルを得られればと思っております。
以上のことから、リスニングを学習の中心に据えようと思っていますが、悩んでいるのは研修前に日本でどのような勉強をするかです。
現在はまだTOEIC900に達していないかつ、研修期間が3カ月と長くない以上、TOEICを確実にあげるためのリスニングを勉強したほうがいい気もします。
一方で、せっかく海外に行く機会を得たのだから、日本にいるうちに実践に近いリスニング学習(洋画を使った学習やオンライン英会話など)をしたほうがいい気もします。
どちらが重点を置けばいいかわからず、頭を悩ませております。リスニングについては実践に近い学習をすれば、TOEICの点数も上がるのでしょうか。
なお、これまでの勉強ですが、1年半ほど前にオンライン英会話を3カ月やった後に、TOEIC学習にシフトして9カ月ほど勉強しました。諸事情により、ここ半年程度は英語の勉強に本腰を入れられておらず、現在はTOEIC750よりもやや下がっていると思われます。
長くなりましたが、ご回答お待ちしております。

回答

効率よく学習しようとして、かえって伸びていかない典型的な落とし穴があります。
世間一般のリスニング中心、会話中心の英語学習法は近道しようとし過ぎて、かえって遠回りをしていることが多いです。
大事なことは英語を使えるようになることであって、TOEICを取ることが目的じゃないはずです。
TOEICの本質は「英語を使えることの証明」であって、
「点数を取ること=英語が使えること」にはなりません。
ここ数年でTOEICは内容を一新した影響で英語が本当にわかってないと通用しない流れになってます。
使えるほどの理解がない人間には高得点は取れません。
わかってないと取れないようになってます。
TOEIC、TOEICとこだわる人が多いですが、いくら点数取っても英語が使えない人は要りません。
これが企業の本音です。
TOEICの内容が刷新されたのも、対策で高得点を取るだけの英語の使えない人間が増え過ぎた影響もあるからです。
実際に930点取った日本人女性を知ってますが、彼女はTOEICのおかげで就職できました。
しかし、一切会話の練習もしてないし、テストで点を取る対策ばかりだったので
仕事場で何もできませんでした。
しゃべれない、簡単な英語に答えられず、メールも書けませんでした。
本当にTOEIC900点超えてるの?みたいな感じでした。
その結果、役立たず扱いされて職場に居場所がなくなり、ストレスで辞めました。
こういう例もあります。
TOEIC対策をしたところで使える英語が増えることにはなりません。
TOEICのテスト自体が新しくなってもここは同じです。
英会話、リスニング中心の勉強法ばかりでは伸びません。
TOEIC700点台ということは読み書きが中途半端ということ。
それに海外で働くというのにリーディングは必要ないという認識がそもそも大間違いです。
リーディングの能力=リスニングの土台です。
読んでわからない英語は100万回聞いてもわかりません。
読んでわかる英語を聞けるようにするのがリスニングを練習する意図です。
TOEIC700点ぐらいは対策で取れはしますが、使える能力がついたわけではありません。
だからこそ、本当に必要なのはTOEICの勉強じゃないということ。
海外は住んでみればわかりますが、定型文で日常生活から仕事まで全部対応しようなど、できっこないです。
「スピーキングは定型のものが話せれば、自分のことを臨機応変に説明できる必要はありません」
とお考えですが、これは会社で事が足りるだけで海外では一切そんなことはないです。
何がいつどんな形でくるかは予測不可能。
しっかり学び続けるぐらいのつもりがないと支障が出ます。
だからこそ、面白いとも言えます。
会話もロクにできないことにストレスを感じ、話せない自分に落ち込みます。
効率ばかり考えて、肝心の基礎がわかったつもりだから、応用が効かないのです。
リスニング中心、英会話中心の最近の小手先勉強法が多くありますが、
これだけを何年やっても同じです。
仮に今のやり方で800点超えても英語が使えません。
点数だけの実力不足で仕事では使えないので、企業としてはありがたくはない。
本来の目的は英語を使えるようになって、仕事として貢献をすることではないでしょうか?
だからこそ求められる英語力をつけたいわけですよね?
ここが見直すポイントです。
読み書きの弱さが伸びない状況を作っているということ。
TOEICは一旦忘れて、土台の作り直しです。
読めば意味がわかるからと、わかったつもりで使えない英語が多くあるはずです。
使えない英語を増やすことじゃなく、使える英語を増やすことで語感が磨かれて、
結果的にTOEICの点数も上がります。
英語の語感が磨かれていけば、どんな分野だろうと吸収して使えるようになる速度は
飛躍的に上がります。
海外で仕事をするなら目指すはここです。
TOEICのための勉強は今はする必要ありません
読み書きの根本的な意図と本質を見直して、学習を組み立て直してください。

  1. 文法レベルからライティングをすること
  2. リーディングを強化してみる

この2つのトレーニングが会話とリスニングにもいずれ大きな効果を出します。
その結果、TOEIC対策の土台としても出来上がります。
一石二鳥です。
一気に伸びることはありませんが、あとで飛躍的に力が付きます。
筋力や体力を強化して、全体の底上げをするアスリートのような感じです。
読み書きの土台がある人はどこへでもやっていけてます。
焦らず腰を据えて、しっかり地道にコツコツ土台を作った方があとで活きます。
焦らず急がず確実に。

  • この記事を書いた人

だぶさん

大学時代に英語科を専攻。オーストラリアのワーキングホリデーを経験。 翻訳の仕事にも従事。英語学習の研究データと独自の実践データを組み合わせて見つけ出した英語上達の法則を紹介。

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