今回は英文法で使い分けがわかりにくい過去形と現在完了形についての解説します。
違いは時間軸を図にしてみるとわかりやすくなります。
実際に使用した図を参考にして、自分でも書いてもらうと違いがよく見えます。
過去形と現在完了形の違いの解説
過去形と現在完了形は使い分けることが便利です。
英語が苦手な日本人の感覚からすると「はあ?意味わからんし!」となると思います。
時間軸の違いに焦点を当てると必ずわかるようになります。
過去形の特徴
過去形は現在から、過去のある時点を振り返るイメージです。
過去形のポイントは
『その行為をいつしたのか?』
ということです。
認知言語学のコアイメージでも「振り返る」イメージとして定義されています。
簡単に言えば、
過去形はやったことが「いつ」なのか?
ということです。
時間軸を考えれば、今からどのくらい前かということです。
例
I cleaned my room.
I cleaned my room yesterday
I cleaned my room 10 hours ago.
I cleaned my room when I came back home.
この文の場合、掃除したのはいつか?ということです。
具体的な時間があるないに関わらず、
現在から過去のやった時点を振り返っていると考えます。
これが過去形の基本的な考え方です。
現在完了形の特徴
現在完了形はhave+過去分詞の形をしてることは
知ってることですよね。
現在完了形は
「過去にやったことが現在につながっている(影響している)」
ということです。
コアイメージでは「現在にズームアップ」という表現をします。
これをhaveと過去分詞のセットを見ていきます。
haveのコアイメージは「手に抱えて持っているイメージ」です。
過去分詞を抱えているイメージを考えてみれば、「過去のことを抱えている」状態ができます。
つまり、過去のことを今に抱えているので、何かしらつながっているか、影響があるわけです。
時間の焦点は現在です。
過去にやったことが何かしらつながっていて、影響してると言いたいのが現在完了です。
時間の焦点が現在だから、agoのような過去形を使わないわけです。
forやsinceで長さを表現しますが、これは影響の長さを示してると考えます。
例
I have lived here for 3 years.
I have lived here since I was 10 years old.
×I have lived here 2 years ago.
このような言い方はしないので、現在につながっているからです。
「いつしたか?」という過去形のような振り返りではないのです。
have+過去分詞の形を使うことで、それが現在につながって影響があることというのがわかるわけです。
過去形はただ「やったのはいつか?」というのが焦点です。
この違いがあります。
過去形と現在完了形のニュアンスの違い
I cleaned my room.
I have cleaned my room.
どちらも英語としては使います。
上の過去形は「いつ掃除したのか」が焦点です。
下の完了形は「掃除したことが今にズームアップ→影響ある」ということです。
過去形は単純に前だったというのに対し、現在完了形は今につながっていることにあります。
この場合、I have cleaned my room.と言うなら、
この裏には
「掃除したことが今につながっている」→「きれいになってる」
という含みが隠れていることになります。
完了形で言うことによって、わざわざ全て説明しなくても言いたいことが伝わるわけです。
便利ですよね?
一方で過去形では時間がありますから、
1ヶ月前や2ヶ月前となれば、きれいになってるというような場合は含みを出すことができません。
昨日とか数時間前とか言うなら、まあきれいだろうなというのはわかります。
具体的な時間から推測はできますからね。
ただ半年前に掃除したと言って、相手に「きれいになってる」ということは伝わらないはずです。
もう1つ例を出します。
I lost my mobile phone.
I have lost my mobile phone.
過去形は「いつなくした?」という時点ですね?
そして完了形にすると?
携帯電話をなくしたことが今につながっている
→困っているとか何かしら含みが読み取れる
こういうことになります。
forを使った時間の長さがある場合の違い
I lived here for 3 years.
I have lived here for 3 years.
どちらも英語としては正しいです。
意味が違います。
違いを表すとこのようになります。
過去形と現在完了形の場合は時間のつながり方が違ってきます。
同じ3年間でも現在に至っている3年間か?
現在につながっていない3年間か?
現実でも分かれるところです。
それを表現するために過去形と現在完了形を使い分けているのです。